尾道の路地に溶け込む、担々麺が美味しいお店 大胡商店-尾道市土堂-

  • by


ずっと昔からあったような佇まい

尾道・瀬戸内のおいしいものたのしいことをお届けするお取り寄せサイト尾道スーベニアです。今回は、海岸通りから入った路地に突如現れる大胡商店(おおえびすしょうてん)にお邪魔してきました。私が尾道を好きな所の一つに、迷路のような路地の中で出会うお店やお寺があります。こんなところに?という場所にあるので宝探しをしているような感覚になり、尾道散歩はいつだってワクワクします。担々麺が美味しいこちらの麺屋も海岸通り沿いに作るか迷われたそうですが、あえて路地に出店されたと聞き、尾道だからこその選択だと感じました。観光客で賑わう海岸通り沿いと、一歩路地に入った場所とでは空気感が違います。よりディープな雰囲気をまとっていてタイムスリップしたような気さえします。

景観に溶け込むよう塗装された
メーターや室外機

とても気さくで優しい雰囲気の店主、松原利枝さんにお話を伺いました。尾道の人や海が好きだった松原さんご夫婦には尾道で飲食をしたいという夢があり、2021年8月に念願の大胡商店をオープンしました。明治38年に建築され、30年以上も空き家だった建物をリノベーションしてできました。大胡商店という店名は、江戸時代から平成20年頃までこちらのご近所にあった【大胡商店】から名を受け継いだもので、『あまりにも地元で愛されているこの名前を途絶えさせてはいけない』との思いでご親族から許可を得てのれんを掲げたそうです。店の外観は波トタンで仕上げており、味のある錆が一層尾道の路地に溶け込んでいます。店舗入り口の大きなドアは外国の船で使用されていたもので、重厚感があります。以前の大胡商店から引き継いだ小物が丁寧に飾られ、細かいところにまで店主のこだわりが詰まっています。


お昼のメニューは基本の4種[汁なし担々麺・大胡・ノンカラ・中華そば]があり、最近は朝限定メニューも人気だそうです。朝メニューは瀬戸内塩ラーメンやチャーシュー丼が300円という破格です。夜勤明けや、近くのゲストハウスに宿泊した方々などの利用が多いそうですよ。

汁なし担々麺 620円 (辛いよ)

特にこだわっているのが広島から取り寄せている麺で、小麦粉香るどのメニューにも合うものを使用。担々麺の汁も風味が失われないよう注文ごとに調合しているそうです。酢、ラー油、七味、追いダレ、花椒(かしょう)など追い調味料も充実しています。花椒は漢方にも使われており、からだに嬉しい効果が期待できます。フワッと香る華やかな香りは少々中毒性があるようで、一度食べたら忘れられない味です!!

見た目がほぼネギな大胡は、瀬戸内海に浮かぶ倉橋島で採れたネギを使用しており、松原さん曰く『このネギがないと大胡は作れない』というほどのこだわりがあるようです。ネギ独特の臭みや苦みがなく歯ごたえがとても良いそうです。

大胡 680円 (すこし辛いよ)

尾道の隣町三原から移住してきた松原さんご夫婦。オープン当初コロナが流行していたこともあり、慣れない地で不安もあったそうですが地域に貢献したいという熱い思いと、地域の方々の支えがありここまで頑張れたと教えて下さいました。尾道も高齢化が進み店舗周辺には一人暮らしのお年寄りが多く住んでいますが、そういった方々とも積極的にコミュニケーションをとり地域との関わりを大切にされています。お話を伺っている途中、窓からご近所のおばあちゃんが気さくに話しかけてこられるのを見て、地元の方に松原さんの思いがしっかり届いているのだと感じました。店主の松原利枝さんはケアマネージャーの経験者で、ゆくゆくは認知症カフェや子ども食堂を開くのが夢だと語って下さいました。災害や感染症等いつ何が起こるかわからないので、お互いいつでも助け合えるよう地域力を高めることが大事なのですね!

現在店舗向かいの物件を改装しており、来年に向けて移転を計画中で座席数も増えるそう。海岸通り沿いにはレンタルスペースもあります。ショップや催事、教室などいろんな用途で使えますよ。気になる方はお問合せしてみてくださいね。

レンタルスペース

尾道で楽しいことをみつけたいと明るくお話をしてくださり、苦労など感じさせない松原さん。尾道を盛り上げたいという思いがとても伝わってきて、私もとても刺激を受けました。いつまでもご夫婦仲良く、夢を追いかけて下さいね!


大胡商店(おおえびすしょうてん)
広島県尾道市土堂1丁目14-5
080-6310-7140
Instagram@o__ebisu
営業時間 11:00~14:00 (朝限定メニュー7:30~10:00)
定休日 火曜日・水曜日
駐車場 無し